話題のふるさと納税! 富裕層の気になる寄付額は?
Feb 28 2018
個人の確定申告の期限が近付いている中で、「あれ、あの返礼品の寄付金受領書どこだったっけな~~」と今になって書類をひっくり返している方も多いかもしれません。
平成28年度確定申告(平成27年1月1日~12月31日)における、ふるさと納税(寄附)に係る寄附金税額控除の適用状況(総務省発表)を見ると、ふるさと納税を行った人の人数は129.8万人。
住民税の納税義務者は6058.9万人ということですので、約2.1%の人しかふるさと納税をしていないという計算になります。しかし、寄付額の合計は1471億円!国民にとっては一大イベントとなっていると言ってもよいでしょう。
今回LENOVI編集部では、「ふるさと納税」について富裕層を対象にアンケートを実施しました。その結果たるや・・・なぜこれほどまでに差が表れるのか!?アンケート結果の詳細を公開します!!
INDEX
「利用する派」と「しない派」が真っ二つ!
ふるさと納税を利用した人の割合
単位:(%)
年収別寄付金額
単位(%)
結果は、やはり全国平均の2.1%を大幅に上回る45%が「ふるさと納税をした」と回答。余剰金を預金に寝かせておくよりも、地方の産業発展に使ってほしいという表れでしょう。
また、所得金額や扶養状況によって上限に違いはありますが、(寄付額-2,000円)が住民税、および所得税(ワンストップ申告制度を適用しない方のみ)から控除されることから、「返礼品を実質利回りに代わるものとして受け取ることができる」という見方もでき、富裕層の方に人気であるのもうなずけます。
しかし、「ふるさと納税をするか、しないか」について年収別ではあまり差が見られず、また税効果を狙ってする人は控除の上限近くまで寄付をする、しない人は全くしない、といったように極端に分かれる傾向がありました。
年収1000万円を超えてくれば、旨味を実感できるぐらいの寄付が可能になるために、まとまった額のふるさと納税を行う人が多いということが見て取れます。
職業別にみるそれぞれの事情
一方、職業別にみると意外な結果が現れました。
単位:(%)
年収別ではあまり差がありませんでしたが、職業別にみると差は歴然!
まず優に80%を超える方が「ふるさと納税をした」と答えたのは「専門家・コンサルタント」。
弁護士、会計士、税理士、その他経営コンサルタントなど、ふるさと納税のメリットが主に税制によるものであることから、システムを理解しやすい職種であったことが要因でしょうか?。
また、第2位の「医師」と合わせて、職業柄地方・地域に密着した活動を行っているために、地域に対する思い入れが強い、また返礼品に関わらず純粋に地方を応援したい、という方も多いと聞きます。
一方、最も低いのは「投資家」で逆に80%の方から「ふるさと納税をしなかった」という回答を得ました。
やはり投資に対するリターンはシビアに数字を見る、ということがあるのでしょう。数字をシビアに追及するという面では、「会社経営者」、「自営業者」の寄付率の低さにも注目したいところです。
多忙な中で返礼品を選んで受け取るということに手間と面倒さを感じているということも考えられます。
「公務員・大学教授・団体職員」の寄付率の低さは・・・想像に難くないでしょう。
ふるさと納税の問題点として、東京都区、横浜市などの税収減、また返礼品競争の激化、あるいは金券を配るなど行き過ぎた制度の利用がメディアにて議論の対象となっているだけに、大っぴらにふるさと納税を活用することができないでいる事情がありそうです。
おすすめの返礼品は?
ふるさと納税に賛否両論あれど、やはり気になるのが返礼品です。最近では、数百種類の返戻品を揃える自治体も現れるなど、品揃えもかなり豊富になってきています。
また、人気の市町村には何度も寄付するからか、自治体によっては、まとめて寄付を受け付けて定期便で返礼品を発送するところもあるなど工夫を凝らしているようです(2か月に1回、お米やビールが送られてくるなど)。
さて、富裕層に人気の返礼品は、ご多聞にもれず、やはり、肉、肉、肉。ふるさと納税サイトでも上位を独占する牛肉・豚肉の返礼品人気は富裕層も変わらず、10人に1人は「肉系」を答えています。
その他はカニ、ウニ、ウナギ、のどぐろ、マンゴー、マスカット、などの高級食材、日本酒、ビール、ワインなどのアルコール類、それも、百貨店のお得意様でしか買えないようなプレミア焼酎やプレミア日本酒もあるようです。宝探しのような気分で楽しんでいる方も多くみられました。
変わり種は「海外旅行の積立金」、「皇室献上のトイレットペーパー」、「キャンピングカー」(!)う~~ん、ぶっ飛んだ返礼品はまだまだありそうです。
ふるさとを応援したい気持ちは変わらない
ふるさと納税を活用した寄付額は年々増えていますが、最近ではGCF(ガバメントクラウドファンディング)と銘打って、地域発のプロジェクトに目的を限定してふるさと納税をするという形態もあります。
世田谷区の「玉電復活プロジェクト」では、3,600,000円を見事集めて達成されました。
これだけ盛り上がるのは、やはり大都市だけではなく地方も応援したいという気持ちがどこかにあるからでしょう。
ふるさと納税サイトには、数多くの地域限定の名産品が並んでいますので、これを機会に覗いてみてはいかがでしょうか?