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アノマリーから読み解く市場の動き

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市場動向を読むことは投資において重要です。アノマリーは経験則であり、根拠はありませんが、同じ時期に同じような株価の動きになるため、年間を通した株式売買や投資に活用することができます。投資家が知っておいて損はないアノマリーについて、具体的にどのようなものがあるのか、市場にどのような影響を与えているかを解説します。

 

根拠のない経験則をアノマリーと呼ぶ

アノマリーとは、「具体的な根拠がない経験則」のことを指します。

この経験則は、時期によるものと銘柄属性の大きく2つに分かれ、いずれも数字やデータからでは表せない動きです。

株式市場は一般的な理論では説明のつかない価格形成や動きをするものですが、アノマリーは予測が当たりやすいと言われています。

アノマリーを知ることは投資におけるパフォーマンスの向上につながる可能性もあり、多くの投資家が活用しています。

 

時期や季節を考慮した市場の動き

根拠はないものの、同じ時期に同じように起こる株価の動きには、何らかの背景が少なからず関係しているのではないでしょうか。

時期や季節によって動く市場を相場の格言を用いてアノマリーを見ていきます。

 

――「節分天井彼岸底(せつぶんてんじょうひがんぞこ)」

年末の反動で値上がりした株価は、2月3日あたりで天井を打ち(高値で)、彼岸の頃に底値になるという意味です。

 

――「4月高、こいのぼり天井」

――「鯉のぼりの季節が過ぎたら株は売り」

――「5月に売り逃げろ」

これらのアノマリーは新年度相場とも呼ばれます。新年度になると新規資金が入るため、日本株は4月に上昇しやすいです。

また、6月から値が下がる傾向にあるため、こいのぼりの時期を過ぎたら株を売って「相場から離れたほうがよい」とされています。

 

このほか、取引開始が2日からの月は相場が荒れる「2日新甫が荒れる」や、12月の株価が安く1月の株価が高くなるといった「1月効果」が挙げられます。

もちろん、これらの格言には具体的な根拠はなく、あくまで時期から考えた予測と言えるでしょう。

 

企業情報から動く銘柄属性

銘柄属性によるアノマリーには、大型株に比べて相対的にリターンが高くなりやすい小型株効果や、配当利回りの高いものが市場平均より高い収益率をもたらすといった例があります。

 

「小型株効果」

小型株は大型株より収益率が高くなりやすい傾向にあります。小型株は注目を集めにくく流動性が低いため割安で、今後利益成長が期待できると考えられます。

 

「低PER効果」

PER(株価収益率)の低い銘柄は、市場平均よりも高いリターンが得られる傾向です。PERの低い銘柄は過小評価されていることが多く、リスクの割には高い収益が期待できるとされています。

 

「配当利回り効果」

配当利回りの高い銘柄は、低い銘柄よりも収益率が高くなりやすい傾向にあります。

 

アノマリーを鍛えることは「市場動向を掴む」ということ

アノマリーには具体的な根拠がないからこそ、過去の相場動向を調べることが必要です。

今後の市場が「どのような動きをするのか」、「どのように変化していくのか」を読み解く力を鍛えることができます。

しかし、アノマリーはあくまでも経験則であり、いつも同じ動きをするとは限らないため、アノマリーだけに注目した投資には注意をしましょう。