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債券と株式のハイブリッド型? 「ワラント債」とは

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新株予約権付社債とも呼ばれる「ワラント債」についてご存知でしょうか。決められた価格で購入できるワラント債の特徴やメリット、注意点などについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。

 

社債と新株予約権のセット売り? ワラント債とは


 企業が発行する社債と、新株予約権であるワラントがひとつの券面になっている債券のことを「ワラント債」といいます。
社債所有者が、債券発行元である企業の新株を定められた価格で取得できる権利社債、別名「新株予約権付社債」とも呼ばれています。

企業が株式を追加発行する際、優先的に株式を買い取ることのできる権利のことで、知名度が低く資金調達が難しい企業のほかにも、株式公開を目指すベンチャー企業などで発行されています。

 

ワラント債の特徴


 うまみの多い印象を受けるワラント債は、「分離型ワラント債」と「非分離型ワラント債」の2つに分けられ、ネット証券で簡単に購入できることも魅力のひとつでしょう。

 

分離型ワラント債

 社債部分とワラント部分が分離されており、個別に売買できる債券を「分離型ワラント債」といいます。
現在発行されているワラント債のほとんどがこのタイプに当てはまります。
それぞれ異なる市場で取引され、社債部分(エクスワラント)は店頭市場、ワラント部分(新株予約権証書)は証券取引所と決まっています。

 

非分離型ワラント債

 反対に、社債とワラント債を分離できないタイプを「非分離型ワラント債」といいます。2002年の商法改正により、非分離型ワラント債のみ「新株予約権付社債」と位置づけられました。

 

債券投資家のメリットは?


 ワラント債の大きなメリットは、債券を発行した会社の株式を決められた価格を好きなタイミングで購入できることです。
ワラント行使時期に、株価が値上がりしていれば利益が生じ、逆に値下がりしていれば損益となります。これが「ハイリスク、ハイリターン債券」といわれる所以でしょう。また、分離型ワラント債の場合は、社債部分は売却せずにワラント部分だけを売却できます。

 

取引で注意したいポイント


 ワラント債は、比較的少額の資金で株式購入と同じような効果が得られるハイリスク、ハイリターンの金融商品です。だからこそ、取引の際には株式市場や金利の動向、発行企業の信用度などに着目してしっかりと見極めることが重要です。また、新株取得権利の行使期間が過ぎるとワラント部分の価値がなくなる点にも注意しましょう。