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景気動向を予測する手段としてイールドカーブを活用しよう

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イールドカーブのグラフを読み解くことができれば、債券投資をするうえで重要な指標となります。ここでは、イールドカーブについての詳しい解説とその形状から読み取れる景気動向についてまとめています。ぜひ参考にしてみてください

 

グラフの形状から読み取れる債券市場の金利状況

イールドカーブとは、金利を表す縦軸と、満期までの期間(残存年数・お金が戻ってくるまでの期間)を表す横軸で2つの相関性を示すグラフの曲線です。その変化を見ると景気の動向が予測できるといわれています。

 

2つの形状に分けられるイールドカーブ

イールドカーブの形状は、大きく2つに分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

金利の分野では1年未満の金利を短期金利、1年以上の金利を長期金利といいます。

 

―順イールド

右上がりの曲線を描くグラフは、満期までの期間が長いほど金利が上がることを表しています。通常時には長期金利が短期金利を上回るため、この形状になることが多いです。「流動性プレミアム仮説」に基づけば、残存期間が長いほど流動性が低下しリスクが高くなるため、長期金利の方が高くなると考えられているのです。

 

――逆イールド

右下がりの曲線を描くグラフは、満期までの期間が長いほど金利が下がることを表しています。短期金利が急騰することで、まれに起こることがあります。

 

イールドカーブの変化の仕方

イールドカーブの変化の仕方に注目すると、将来の予測がどう変化しているかを読み取れます。

 

――イールドカーブのフラット化

曲線の傾きが小さく、緩やかなカーブに変化したということです。長期金利と短期金利の差が小さくなったことを意味しています。将来の金利水準がどうなるか不透明になったと考えられます。

 

――イールドカーブのスティープ化

曲線の傾きが大きくなるということです。長期金利が上昇し、短期金利との差が拡大している状態で、将来の景気が良くなると予測できる時に起こります。

 

イールドカーブの変化から予測できる今後の景気

イールドカーブと景気との関係は確実ではありませんが、景気判断のひとつの材料になります。

 

イールドカーブのスティープ化が起きている場合、通貨が買われる傾向にあるため、今後レートの上がる可能性が高いと予測できます。そして景気が上昇するような局面では、イールドカーブのスティープ化が起きやすいといわれています。

 

一方でフラット化が起きているグラフからは、今後レートが下がり、金利も下落していくことが予測できます。また、景気が減退していくような局面では、イールドカーブのフラット化が起きやすいといえます。

 

イールドカーブを債券投資の判断材料として活用

イールドカーブのグラフは、投資家が市場の動向を読み取る際に重要な判断材料となるだけでなく、景気が将来的にどう変動するか予測するための材料としても利用できることが分かりました。

 

また、国債のイールドカーブは、国債以外の債券価格や金利性商品の価格・利回りを評価する指標としても、広く活用できます。

債券投資を検討している方は、イールドカーブのグラフから今後の金利の流れや景気を予測したうえで投資を行いましょう。