アクセラレーターの趣旨とその仕組み
Feb 20 2018
起業や事業の立ち上げには、資金調達や経営のノウハウが必要となります。その手段としては、ベンチャーキャピタルから資金調達を行うのが従来の方法でした。しかし、近年のIT業界のあり方から、投資する企業にも変化が出てきました。その一つであるアクセラレーターの仕組みと特徴について説明いたします。
INDEX
スタートアップへの投資「アクセラレーター」
アクセラレーターは「加速者」という意味で、成長し始めた企業に対して、ビジネス拡大のために必要なサポートや投資を行う支援のことを指します。
アクセラレーターの主な目的
一般の投資家が行うのではなく、すでに何度も事業を成功させている起業家が行う支援プログラムです。投資目的よりも、成長をサポートすることに力を入れるのが主目的となります。宿泊施設のコミュニティー・マーケットプレイスで広く知られている「Airbnb(エアビーアンドビー)」は、海外の有名なアクセラレーターから出てきた企業です。
プログラムの仕組み
アクセラレーターの対象となる事業や企業は、募集と選考により選定されることがほとんどです。スタートアップ(高い成長が見込める新規事業や新たに設立された企業)に対して行われるプログラムで、短期間での成長の加速やビジネスの拡大を狙います。短い期間でスケジュールを組み、資金や環境の準備をしたり、ノウハウを指導したりというサポートが行われます。
アクセラレーターのベンチャー投資の特徴
少額の出資を行い、5~10%の比率を取るのが基本となります。
一度の出資が少額なため、同じ時期に複数のスタートアップに出資することも可能です。多数のスタートアップに投資することになりますので、時間に限りが設けられる場合があります。
さまざまな出資形態でコラボ
出資形態も、一部のベンチャーキャピタルであったり、大企業とベンチャーのコラボである「オープンイノベーション」の一環として大企業がベンチャー投資を行ったりとさまざまです。
投資成果の早さ
アクセラレーターとしての投資形態が広まった理由等しては、これまでのベンチャーキャピタルに比べて投資額が少額であることと、短期間の投資であるため、投資成果が早く表れることがあげられるでしょう。一件に対するサイクルとコストが小さいので、一斉に複数の事業に投資したり、続けての投資がしやすくなります。また、ベンチャー企業側にとっても、資金調達がしやすい、コミュニティーが広げやすいといった利点があります。
成長する企業を支えるアクセラレーター
現在の日本においても、アクセラレーターは数を増やしている傾向にあり、その支援を受ける側のベンチャー企業や事業も増加しています。お互いが良い関係で成長するため、ベンチャー企業としては、各アクセラレーターの特徴をしっかり研究し見極めることが重要です。