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投資事業有限責任組合の有用性

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「投資事業有限責任組合」は、これからを担うベンチャー企業にとっては円滑な資金調達ができ、出資する投資家にとっては不安材料を減らすことができるといったメリットがあります。ここでは、組合が発足した背景やメリットを詳しくご紹介していきます。

 

投資事業有限責任組合とは

「投資事業有限責任組合」は、ベンチャー企業のような未公開企業への投資を専門的に行う組合型ファンドを創設・運用するため認められた組合方式です。無限責任組合員と有限責任組合員により構成されます。投資ファンドの活性化を図るため、1998年11月に「投資事業有限責任組合法(ファンド法)」が施行されたことにより法的に認められた投資事業組合となりました。

 

無限責任組合員

GP(General Partner)とも呼ばれ、業務を執行する組合員です。組合の債務について出資額にとどまらず、対外的な無限責任を負うことになります。

 

有限責任組合員

業務執行には携わらず出資のみを行う組合員で、組合の債務については、出資額を限度として弁済の責任を負います。LP(Limited Partner)とも呼ばれます。

 

大きな課題を解決した投資事業有限責任組合


投資事業有限責任組合が認められた背景には、資金を募る企業や出資する投資家にとって大きな課題があったからです。ここでは、組合ができた背景やメリットについて見ていきます。

 

投資事業有限責任組合が設立された背景

民法上の組合により組成された「投資事業組合」では、出資をする投資家が無限責任を負ってしまうというデメリットがありました。ベンチャー企業へ出資するリスクは非常に高く、リスクを嫌う投資家もいるため、なかなか多くの資金が集まらないという課題が発生しました。
そこで、資金調達を円滑に行うために作られたのが、投資事業有限責任組合です。
有限責任組合員が負う責任を、出資額にとどめることを法的に守るといった制度を作り、多くの投資家によるベンチャー企業への資金供給を促すことができるようになりました。

 

企業や投資家のメリット

投資事業有限責任組合の有限責任組合員は、銀行の出資が、原則として「5%ルールの適用除外」になります。また、組合財産は組合員全員による共有資産となり、組合には法人税がかからないという点もメリットです。
企業としては、外部の出資者により自らの運営決定権を損なうことがなく、なおかつ外部の出資者に無限責任といった大きな責任を負わせなくても済むといったメリットがあります。

 

円滑な資金調達と不安なく出資できる制度

投資事業有限責任組合は、多くのベンチャー企業が円滑に資金を調達でき、出資する投資家にとっても不安が軽減できる組合です。投資家はリスクの高かったベンチャー企業への出資がしやすくなり、将来性のある企業に投資し応援することで、将来的に日本社会の活性化にもつながります。