共同出資で投資できる不動産ファンド
「ファンド」とは、複数の投資家から出資金を集めて、まとめて投資対象へ投資を行い、リターンを投資家へ、出資金に応じて分配する仕組みのことです。投資対象が不動産のものを「不動産ファンド」といいます。今回は不動産ファンドの特徴とメリットについて解説していきます。
安定したインカムゲインが最大のメリット
不動産ファンドの運用会社が物件の選定を行い、継続的に投資を行いますので出資者は資金提供する以外の負担がありません。投資対象が不動産であるため、運用方法によっては賃料収入からの収益が得られます。つまり安定したインカムゲインが得られることがメリットです。
リスク分散が大きな特徴
個人の投資ではなく、複数人による投資であるため、一人では投資不可能な高額物件にも投資できます。受け取れる利益も分配されることになり、利益少なくなりますが大きな損失も避けられます。
例えば一つのマンションに全額投資した場合、地震(自然災害)が発生しマンションに損害が出たり、不動産価値が激減したりといったリスクを回避できません。不動産ファンドでは複数の不動産に対して分散投資しておくことで、大きなリスクを減らすことができます。
不動産投資信託(REIT)と私募ファンドについて
不動産投資信託はREITとも呼ばれ、不動産ファンドの代表例です。「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づき運用されます。
不動産ファンドは、資金収集方法によって公募ファンドと私募ファンドに分けられます。
公募ファンド
公募ファンドは一般の投資者を募るファンドのことです。
公募型不動産投資の代表がJ-REIT(日本版不動産投資信託)で、投資家から集めた資金で複数の不動産を購入し、投資家は不動産から得られる収益を分配金として受け取ることができます。
※2000年11月、改正投資信託法により不動産を証券化することで作られた金融商品
私募ファンド
私募ファンドは、証券市場に上場されずに一部の投資家だけを対象に販売されるファンドです。不動産特定共同事業法の適用のある民法上の任意組合によるもの、不動産信託受益権による小口化商品など、いくつかの形態があります。
税制にも留意が必要
不動産ファンドはインカムゲインによる安定した収益と分散投資によるリスクヘッジが重要です。最も出資契約によって適用される税制が異なりますので、特に私募ファンドに投資を検討する場合には、税務の専門家に問い合わせるなど不明点を明らかにする必要があるでしょう。