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中世イタリアでも行われていた匿名組合契約

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投資家同士で「誰が投資したのかわからない」という特徴のある匿名組合契約は、クラウドファンディングや不動産投資など、さまざまな場所で行われています。今回は匿名組合や契約のメリットやデメリットを解説いたします。

 

 

 

匿名組合契約の由来

もともと10世紀の中世イタリアから始まると言われており、地中海貿易を行いたい事業家が資産を持っていた教会や貴族からの出資を受けたことが由来となっています。

 

出資と利益のシンプルな契約形態

「匿名組合契約」はある事業を行うために出資者(匿名組合員)が出資をし、その事業から得られる利益を受け取ることを目的とした契約形態のことを指します。金銭のリターンを目的とした投資型、融資型クラウドファンディングや不動産投資の中には匿名組合契約を活用したスキームを採用している場合が多く見受けられます。また、匿名組合はイニシャルから別名「TK」と呼ばれています。

 

出資者のメリット

出資者のメリットは大きくわけて3つあります。

 

-比較的少額の資金から投資ができること

-出資額を越えた損失を負担する責任がないこと

-投資対象範囲が広いこと

 

損失は匿名組合契約による出資額分だけになりますので、リスクヘッジも考えられた契約です。

また、場合によっては事業に参加したいが名前を出したくない、また出資者同士が互いに名前を知られることもないということもメリットと言えるでしょう。

 

償還を受けられないリスクや途中解約が課題

事業の収益が下回った場合、以下のデメリットが発生します。

 

-出資者は出資金の元本の償還を受けられないリスク

-事業に関する指示ができないこと

-契約の中途解約に負担がかかりやすいこと、

-税法上や税制等の変更時のリスク

 

出資者は事業に関する指示できないことや途中解約の負担が大きいため、金融商品取引業者に契約内容を詳細に事業内容と権利内容を確認することが必要となります。特にクラウドファンディング等でネット上での書面交付による場合には、事業計画の説明書と重要事項説明書(契約締結前交付書面)を精読し、不明点は金融商品取引業者に質問すべきです。

 

日本の匿名組合契約は、トラブルが多い?

匿名組合契約は本来、事業者が大きな事業を行うため、資金を集めるための契約です。

日本国内においては資金を集める目的とは別に、悪質な勧誘や詐欺に利用されるケースも過去には例があります。法律逃れのために匿名組合での形式で勧誘される事例もありますので、信用のおける法律事務所や会計事務所、金融商品取引業者などがきちんと関与しているかどうかを見極めることが重要となります。

 

主流となった匿名組合ファンド

とはいえ、ファンド組成例が豊富であること、クラウドファンディング等でもでもスキームが多用されていることから、匿名組合ファンドは事業ファンドの中心となっています。また、税効果を享受できる法人向けのファンドも多数組成されていることから、この機会に匿名組合契約を活用したファンドへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。