海外不動産投資 フランス・パリ vol.3
現地専門家が伝える!世界中から熱視線を浴びるフランス・パリ不動産投資とは?
パリの不動産賃貸
続きまして、不動産賃貸運用に関してふれさせていただきます。
私自身、日系の法人、例えば自動車メーカー、商社、金融機関等のお付き合いが多いのですが、そこでは複数名の駐在員が駐在されています。
例えば、ファミリー層で月の家賃として4000ユーロだとか、という予算を持っています。安全なところに住みたがるという傾向があるので、特に西側のエリア、治安が安定していて商店街が充実している、という住みやすい地域をお勧めしています。そのようなところでだいたい100㎡ぐらいのものを探されており、新しい物件が入ると、翌月あたりから賃貸が開始できるというようなイメージです。
投資利回り
パリ市の人口225万人のうち、外国人は42万人、その中で日本人は18,000人程度、うち半分強が学生となっています。住宅総数134万戸のうち空室率は8.2%程度となっており、人口の約67.4%が公務員住宅、低所得者層向け住宅、社宅、などの賃貸住宅に暮らしています。
住宅難が続いているために家賃は高騰しておりますが、不動産価格の高騰に追いついておらず、利回りという面では低いと思います。イメージとしてはネットで3%というのが一つの基準になります。なので、日本では高利回りの物件も地方に行くと存在しますが、パリではそのような案件は存在せず、どちらかというとキャピタルゲインを重視して購入するケースが多いといえます。
金利水準も日本ほど低くはありませんが、2%以下で借りられることが多いことから、ネット利回りで3%あればいい、というように考えられています。
現在、1㎡あたりの賃料相場は30ユーロから42ユーロぐらい。これは西側に限ったものではなくて、これはパリ市内全体の平均ですが、西側に限るともう少し高い相場となります。100㎡で4,200ユーロ、日本円にして60万円ぐらいの賃料相場である、ということがいえると思います。
家具付き・家具なし
賃貸に関して大きく2種類、家具つきと家具なし、というのがあります。日本で家具付きの案件はあまりなじみがありませんが、外国から駐在員が来るとだいたい1年から5年ぐらいのタームですので、そのために家具を買いそろえるのは大変だろうと。そのために家主さんが生活できる環境を整えておいて、空室期間を減らそうというのが目的で、売却物件でも家具付きにしているところが多いです。
誰に貸すのか、という意味で言うと、そこに長く住むための人に貸す場合(納税地住所)と、社宅として借り上げの場合がありますが、後者のほうが、賃料を高く設定できるという特徴があります。
契約期間は、1年自動更新、更新時の手数料は発生しません。1年ごとの更新ですので、家主の都合で売却時に退去してほしいという要請も受け入れられます。相手が日本人のみというわけではないので、入居者の審査は厳格に行わなければありませんが、通常では当社では日本人向けの住居を中心に営業をしています。そのため、水回りなど日本人好みのものにするなどの配慮をしております。
為替の影響も重要
為替についても触れたいと思います。ヨーロッパの不動産に投資する以上は、為替の影響を考えなくてはなりません。ユーロは世界的には比較的安定した通貨ですが、ユーロ高の時は170円/ユーロ、ユーロ安の時は90円/ユーロまで落ち込んだ時期もあります。
しかし、平均をとると、131円/ユーロとなっており、これより高いと円安、これより低いと円高傾向、とみられます。できるだけユーロが安い時に投資するということは言えると思います。為替が10%動いただけで不動産の値上がり、値下がり分は帳消しになりますので、その辺は考慮すべき要因です。
投資物件の例
さて、投資物件の例をご紹介します。
パリ16区(Trocadero地区)、1930年築の石造りですのでオスマニアン建築です。
フランス式2階というのは日本でいうと3階に当たります。2LDK、2ベッドルームの案件になります。固定資産税は日本に比べて安いですが、これは、土地の価格が安いから、という解釈があります。
管理費は日本と同様、管理人の人件費や、暖房費などに充てられます。管理費の70%~80%は入居者が支払うものです。昔の部屋は装飾が入っていたりしましたが、今はすっきりとしたものが人気となっています。
続きましてパリ16区(Victor Hugo地区)。
これは建物の質がいいので、賃料をやや高めに設定しています。入口には住人しか入れないようにゲートが設置されており、中はリフォーム済みで床も新しいものに張り替えています。バスルーム、キッチンもスタイリッシュなつくりで、オール電化になっています。
次は16区(Foch地区)。20年ぐらい前はここが最も高級な住宅街となっていたところで中東の富裕層がこぞって購入していたところです。最近の流行りですが、オープンキッチンでワインクーラーなんかがあったりします。
次のパリ16区(Trocadero地区)の案件は有名な建築家が建てた案件です。
アール・デコの影響を受けている様式となっており、曲線が少ないという特徴があります。町の文化財に指定されているような建物なのですが、このような案件も売買対象になっていて、今実際に住んでいる方がいます。
(第4回に続く)
あわせて読みたい!