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海外不動産投資 フランス・パリ  vol.4

現地専門家が伝える!世界中から熱視線を浴びるフランス・パリ不動産投資とは?

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海外不動産投資 フランス・パリ  vol.4

 

不動産価格と仲介手数料

 

 フランスでは、一般的には公示されている価格は不動産業者の仲介手数料が含まれている金額になっています。もちろん、このように公示されている金額そのままで売買されることは少なく、フランス人は対話を好む民族ですので、内見に行ったときに価格交渉に臨むというのはよくあるケースです。

 

 不動産仲介手数料は6%ぐらいが含まれているというイメージです。不動産仲介手数料は、商慣習上、買手が負担するもの、ということがありますので、そのぐらいの手数料率になっているということです。


 不動産価格によって不動産仲介手数料のパーセンテージは異なることがありますが、6%以上というケースはあまりありません。法定の上限はないので、上乗せすることはできるのですが、100万ユーロ以上ですとだいたいそのような手数料率(6%程度)になっています。一方で、100万ユーロ以下の物件だと、6.9%、7%、8%などのケースがあります。公証人の手数料は交渉ができないところはありますが、7.5%ぐらいとなっております。

 

 公示されている売買価格から、不動産仲介手数料を引いた価格の7.5%ということです。7.5%は少し高い気もしますが、不動産獲得税が5%、残り2.5%が公証人の手数料となっております。

 

不動産購入手順

 

購入準備段階

 

 さて、実際の購入手順です。まず、内見していただいて、購入したいというようになった時には、所有者に不動産業者を通じて、自分のプロフィール、価格、ローンを使うのか使わないのかなどを記載されたオファーレターのようなものを出します。

 オファーレターの内容が承諾された場合には、だいだい1週間後ぐらいに所有者から回答が来ますので、その後に公証人の選定を行います。公証人費用は自分(買主)負担となりますので、自分がやりやすい公証人を選定するのがよいのですが、そのような適任者がいない場合には、不動産業者が紹介してくれます。

 

仮契約・本契約

 

 準備が整いましたら、仮契約を行います。仮契約は、最初のオファーから1週間から2週間後に行われるケースが多く、仮契約時には10%程度の手付金を納めます。仮契約を行うと所有者は別の買主との交渉ができなくなります。


 仮契約から1か月から2か月後に本契約が行われます。期間には制限はないのですが、多くは2か月以内に行われます。しかし、ローンの承認が長引いたりするときには、期間延長の申し出を行うこともあります。


 フランスの不動産を、外国の個人・法人が購入できるのか、という問題がありますが、フランスにおいては、現地に法人をつくる等の手続きは必要なく、誰でも購入できます。


 個人が購入する場合には、夫婦財産制ということを考慮し、だれが不動産を所有するのかを明確にする必要があります。婚姻している日本人がフランスの不動産を購入する場合には、通常夫婦別産制が適用されますが、夫婦間で契約をし、フランスの弁護士に書類を作成してもらうことで、夫婦共同名義にすることは可能です。


 一方で、日本法人がフランスの不動産を購入する場合には、取締役会議事録を作成し、議事録の翻訳等を提出することで、法人でも購入できます。


 法人で購入するか、個人で購入するかのどちらがいいかはケースバイケースですが、フランスでは、個人で130万ユーロ以上の資産を保有していると富裕税という税金が発生します。法人で購入する場合は富裕税の問題は生じません。現在、130万ユーロ以下の案件は飛ぶように売れておりますが、130万ユーロ以上の案件については少し時間がかかっているのはそのような理由があるからです。

 

売却時の留意事項


 日本人の投資家でずっと不動産を持ち続けるということはあまりないでしょうから、購入時点でイグジット時のことについてもあらかじめ考慮しておく必要があります。パリの不動産価格はこの1年間で5.2%の値上がり、過去でも3%から4%のレンジで順調に値上がりしていましたが、フランスでは、売却するときにキャピタルゲイン課税があります。

 もっとも、22%までのキャピタルゲインについては、税金が控除されます。これは、公証人の手数料や不動産手数料等が考慮されているようです。減価償却は簡便法で7年、7年間の減価償却をとって十分なキャピタルゲインを享受したうえで売却しているケースというのはよく見かけます。

 

質疑応答

(質問1)
 納税の手間はどうですか?

(回答)
 現地の会計士に頼んで申告します。家賃収入に対する税は1月から12月のタームで区切られていまして、申告は4月です。キャピタルゲイン税は公証人が書類を作成し、売却益の中から控除して支払われますので、会計士は登場しません。

 

(質問2)
 付加価値税については売却時にかかりますか?

(回答)
 かかりません。

 

(質問3)
 ファイナンスについて提携先というのはありますか?

(回答)
 なくはないのですが、1件目の購入に関してのファイナンスは難しいと思います。法人であっても個人であっても、非居住者が購入される場合はフランスに実体がないので、初めての物件のファイナンスは難しくなっています。2件目以降に関しては、ファイナンスがついている例はあります。

 

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